2016/01/08

どんなお店なら居心地がいいの?2

お店のコンセプトを考えるなかで私は全然、これ!というものがありません。
ざっくりとしたものだけ固まっていればいいかなとすら考え始める始末です。

コンセプトは裏を返せば、縛りとも言い換えられる気がします。
イカニモ系のお店だからそれ以外の容姿だと浮く、イケイケ系の営業だからまったり飲みはお呼びでないetc
こういう感じは私が求めているものとは違います。

今在籍しているお店の特長としては、明朗会計、ロングラン営業というのがあるのですが、
ルックスや年齢、飲み方での制限は全然ありませんし、従業員もバラエティに富んでいます。
来る者拒まずある意味、巫女的というか、どんなお客様に対しても平等に接します。
そしてありがたいことに繁盛しています(今月上野に2号店ができるくらいです)。

かくいう私もお店のそういった、いい意味でのテキトーさを好きになって通い始めた一人でした。
どこへいっても疎外感をおぼえる私にとって、それはとても居心地がよかったのです。
やがてママに声をかけてもらい、内側で働くことになり、今ではチーママをやらせてもらっています。
私自身の力ではなく、場所、運、空気すべての条件が揃った結果なのかなと思います。

それはまるで、魔術のように。

だから私もこのお店で学んだ巫女的な受容の力を、新しいお店でも生かしたいと考えています。
従業員がイニシアチブを取るのはもちろんですが、それをお客様同士をfixするパイプとなるように行使したいのです。
逆説的ですが、コンセプトが明確でないことがコンセプト、といったところに集束したいなと思う次第です。

むしろ、「これをやりたい」より「これはやらない」から消去法で削っていったほうが、
お店の輪郭がよくわかる場合があります。
例えば私は、カラオケを1フレーズずつ歌って一気飲みをするだけの営業はあまり好きではありませんし、
かといって虚栄心を苗床にしたような小難しい能書きに終始する飲み方も面白いとは思いません。
これはわがままでしかないですが、水商売は嘘の世界だといわれても、
私はその深淵にある本当を垣間見たいです。

シンプルに言えば、気楽に楽しんでもらえるお店にしたいです。
そのためにはどうすればいいのでしょうか、次回へ続きます。