2016/05/31

汝、妄癖あらん。

どうもです~

みなさんは初恋を大切にする派ですか?忘れたい派ですか?それとも、、、
なにかの戒めのために覚え続ける派ですか?私は忘れられない派です。

恋愛のやりかたというか、恋愛に求めることの違いというか、
それが両者で違うと、または、歩み寄れなかったとき、すぐ別れちゃいますよね。

私の初恋もそうでした。
向こうは自分の弱さから目を背けるために私を求めたし、私は彼をアクセサリーにしていました。
貧しく、そして儚く、甘酸っぱい恋でした。

今でもときどき彼を思い出します。
押入れの奥にはむかし彼からもらった年賀状があり、
そこに書いてある住所を辿って、彼を訪ねてしまおうかと考える夜もあります。
ある夜はFacebookで、彼の名前を思い切って検索してしまおうかと思いますし、
またある夜は、魔術サイトを訪れ、別れてしまった恋人と縁を戻す魔術を調べたりもしました。
もちろん、実行には移しませんでしたが、、、

初めてを捧げる人の存在って、大きいのです。

風俗で働いていたときの格言に、「友達は金で選べ」というのがありました。
羽振りのいい人になびけという意味ではありません。
自分の収入と同じようなレベルで稼いでいる人をつるめ、ということで、
そうすれば、営業件数の量で変な気を遣い合ったり、食事や飲みなどででる収入格差で傷つくこともないからです。

恋愛においてもそうだと思います。
どこかで、自分がいちばん傷つかないやり方を、身に着けてしまっているのではないでしょうか。
言い換えるならば、あるいは、楽なほうに。

残酷な事実なのですが、ゲイの世界は見た目がすごく重要視されます。
そそる、いける、やれる、しかし一度肌を合わせたらもう他人ではなくなるはずなのに、
そこでは恋愛感の一致とか価値観の相違とかは、関係ないというか、問題にされないことが多いです。
だから、つらく、くるしい。

最近知り合った人が、考え方も性格も見た目も、なにもかもがすべて違くて一瞬辟易したのですが、
少し勇気をだしてその差異を、否定せずに楽しむことにしました。
お互いの違いから目を背けることが、廻り廻って自分自身の矛盾に苛まれることにしかならないと気づいたからです。

見た目のみに特化した恋愛ももちろんいいと思いますが、それが内包しているジレンマというのは、
けっきょくは、自分の影を追っているだけにすぎない、ということです。
相手を思いやる前に、我が身がかわいくて仕方がないのです。

在りし日のw-inds.は曲の中で「みんなparadox抱えてる」と歌っていましたね。
実際そうだと思います。外に出せない矛盾なんて、たぶん誰しもが抱えているものですよね。

初恋のような恋愛はもうしたくないです。
だからそのために自分がどんどん豊かな人間にならないといけないのかなと思います。
自分に欠けている性質を誰かのもので満たそうとするような生き方を、繰り返さないために。



劇終